前述の健康診断のご案内(10月1日〜12月23日)の中で、今年の秋限定で健康診断を受けられた方のみ尿検査を行います。内容としては尿中一般性状、尿沈渣およびUPC(尿タンパククレアチニン比)です。尿中一般性状検査はpH、尿比重、潜血や尿糖、ケトン、ビリルビン、ウロビリノーゲン、白血球、尿タンパクの有無などを調べます。尿沈渣では顕微鏡下で赤血球、白血球、上皮細胞、クリスタルおよび細菌などの有無または形状などを調べます。尿中一般性状でも尿タンパクの有無はわかるのですが、UPCはそれを数値化して、どのくらい尿中に存在するのかわかります。高度なタンパク尿が存在し続けると、ネフロン(腎臓病と検査のお話を参照)自体の損傷の原因となり、慢性腎臓病を惹起します。また、一般的に全身性の高血圧、浮腫、胸水、腹水および血栓症のリスクも上昇します。尿タンパクの要因として糸球体を基準にして、糸球体の前で起こっているのか、糸球体自体に問題があるのか、糸球体の後で、タンパクが混ざっているのか判断しないといけません。例えば、膀胱炎などがないのにタンパク尿がある場合は、糸球体に問題がある可能性があります。初期であれば、症状がでにくく、発見が遅れれば重篤になる恐ろしい病態です。気になる点があれば、お気軽にご連絡ください。