前日に公園の砂場で大量の砂を食べってしまったプードルが食欲不振、嘔吐、下痢で来院いたしました。レントゲンを撮影してみると このようになっていました。胃袋(左側)と腸(中央から右側にかけて)に、白く映っているのが砂です。まるでバリウム造影をしたように映っておりました。砂が大腸に達していれば便と共に出てくるので問題はないと思いますが、小腸に残っているのであれば、小腸内で砂がかたまり小腸で動かなくなっている可能性がありました。その場合小腸切開をして、砂を取り出す必要があります。 バリウムを充てんしたカテーテルを肛門より挿入して大腸と砂の位置関係を調べてみました。上のレントゲンでは大腸より挿入した細いカテーテルが盲腸付近までい行っているのが解ると思います。砂の塊は大腸ではなく小腸に留まっていると判断できます。その後小腸より砂を摘出する手術を行いました。手術後のレントゲンです。まだ小腸の粘膜に入り込んだ砂が少し確認できまが、ほとんどの砂を摘出いたしました。手術では、盲腸の所を先頭に小腸側に砂が溜り小腸が拡張し、固くなっておりました。小腸に激しいい充血が見られましたが壊死はおこしていませんでした。正常な部分の小腸を切開し、そこからカテーテルで洗浄しながら砂を摘出しました。手術後2-3日は下痢便に砂と粘膜状のものが少し混ざっている状態でした。手術後3日目から食事を与え、食欲も回復し、無事に退院することが出来ました。
犬が大量に砂を食べることは普通はないと思いますが、空腹で公園に行き、ジュースなどがこぼれた後の砂などを大量に食べてしまったのではないかと思います。公園などにはいろいろなものが落ちていますので、くれぐれもご注意ください。