前回同様に写真は摘出した子宮です。今回も子宮は通常より太く、異常な形態をしていますが、内容物は異なりほぼ無色透明の液体が認められました。今回、避妊手術を実施する際に子宮の拡張を確認、摘出しました。通常、子宮内に液体が貯まる事は異常であり、貯まった液体の性質に応じて診断を行います。今回は無色透明の液体が貯まっており、この子自身も取り立てて体調を崩してはいません(もちろん、術前の検査でも異常は認められませんでした)。従って、子宮水腫と診断しました。子宮水腫では多くの場合症状が認められることはありませんが、ここじゃら感染が引き起こされ、子宮蓄膿症に移行する可能性も考えられます。子宮水腫の明確な原因や発生機序は不明ですが、中高齢になるほど発生率は高くなりますので、早期の避妊手術が最大の予防となります。手術に関して、気になる点があればお気軽に当院までご連絡してください。