膿胸とは胸膜腔での膿汁の貯留で、通常感染によって引き起こされる病気です。感染は通常、気道、食道、あるいは胸壁を経由して胸腔内に侵入し、化膿性胸膜炎が生じることによって引き起こされます。犬では狩猟やスポーツ犬種など、運動性の高い犬種が胸壁の穿孔創より感染することが多く、猫では圧倒的に喧嘩による咬み傷から感染することが多いです。症状はしばしば潜在的であまり表に出ないことが多く、末期になって初めて気づくことも多いです。具体的な症状としては頻回の呼吸、咳、発熱、元気食欲の低下などが挙げられます。診断には胸腔の膿汁の確認が必要不可欠です。治療は膿汁の排液と抗生物質の徹底的な投与です。入院を要することもあります。東京では比較的減った病気ではあると思われますが、特に外に出ている猫では多く認められる病気ですので注意が必要です。写真は胸腔内から採取した膿汁の一部です。d838c052b65916fcfdbc3b7e183931f8063c21d5.jpeg