黄疸は悪い印象の症状です。病状が進行している場合が多く、治療に対しての反応も悪いです。また、黄疸=肝臓病でもありません。黄疸は主に肝前性(溶血性)、肝性(肝細胞性)および肝後性(閉塞性)に分けられます(ヒトはさらに細かく分類されます)。重度であれば、眼球結膜、耳、口腔内に目視上の黄疸が認められますが、軽度の場合は血液検査で偶然見られる事もあります。黄疸があると確認できた場合、上記の3種類のどれか調べなければなりません。また、上記の複合型も存在するので診断に苦慮することもあります。血液検査はともかく、腹部エコー検査で肝臓および胆嚢の状態を確認することも必要です。
下の写真は、食欲元気の低下および嘔吐で来院された犬の血液です(右側)。正常であれば左側のように血漿(液体部分)がほぼ無色ですが黄色になっています。エコー検査の結果、肝後性の黄疸ということがわかりました。