izumi0006.jpg けいれんを起こす病因として、遺伝的素因以外に発作の原因がわからない特発性てんかん、脳奇形、脳炎、脳損傷および脳腫瘍など脳に明らかな病変が存在する症候性てんかんに分類されます。また、中毒や代謝性疾患など頭蓋以外の原因によりけいれんを起こす、非てんかん性発作もあります。そのため、けいれん発作が発生した場合、まず、頭蓋性なのか非頭蓋性なのかを把握するために、血液検査および心電図検査などを行ないます。頭蓋性と疑われる場合には、追加検査としてMRI検査を行います。頭蓋性と疑われた高齢犬猫における発作でMRI検査を行うと、4割弱に脳腫瘍が発見されています。脳腫瘍は髄膜腫、脈絡叢乳頭腫、星状細胞腫などの原発性および血管肉腫、リンパ腫、メラノーマなどの転移性に分類され、腫瘍の種類により治療は異なります。

 この写真は10歳の大型犬で、先日、けいれん発作があり、頭蓋性が疑われたためMRI検査を行いました。前頭葉部分に巨大な腫瘍が確認できます。