IMG_3416.JPG 以前、乳腺腫瘍の肺転移をご紹介いたしましたが、肺に転移する腫瘍はまだまだあります。メラノーマもそのひとつで、犬の皮膚の腫瘍の20%、また、犬の口腔内の悪性腫瘍の中で最も割合が高いと言われています。口腔内のメラノーマの場合には歯蓋表面から発生し、急速に増殖していきます。転移率も80%と高く、リンパ節や肺に転移します。治療は外科切除、放射線療法それに加えて化学療法が一般的です。犬の完全切除後の生存期間の中央値は約1年ほどですが、転移が認められる症例の予後は極めて不良です。

 この症例は口腔内に発生したメラノーマ(硬口蓋にみられる黒色の腫瘍)が肺に転移しました。肺野全体的に腫瘍細胞が転移しているのが確認できます。この状態までいくと手の施しようがなく、緩和療法になります。

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