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嘔吐は胃内容物の激しい反射的な排出で、短期間で様々な頻度で起こる急性嘔吐、または対症療法に反応しない間歇的な嘔吐あるいは様々な頻度で長期間継続する慢性嘔吐があります。急性嘔吐の要因として、食物有害反応、薬物、毒物、消化管の炎症および潰瘍、消化管の閉塞、腹腔内の病変、内分泌疾患、神経疾患、寄生虫、その他全身性の疾患と様々です。慢性的な嘔吐の場合は急性嘔吐の要因に加えて腫瘍性疾患や消化管運動障害などさらなる鑑別が必要となります。一般的に身体検査、血液検査、エコー図検査、レントゲン検査(単純およびバリウム)、内視鏡検査などの結果から判断します。その診断結果から治療の方針を立てます。
 上の レントゲン写真はは、2日程前から、間欠的な嘔吐を主訴とした犬です。飼い主さんは誤食はないとのことでしたが、触診上、上腹部に2センチ程の塊が触知されたので、レントゲンを撮りました。まだらに白く写っている異物が確認されました。念の為、腸のどの部分で閉塞があるのか確認するためにバリウム検査をした所、空腸の上部にあることが確認できました。その後、手術により軽石らしき異物が摘出され、元気になりました。

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