胸水の定義は、胸膜腔内の異常な体液貯留であり、体液産生過多または体液吸収低下、浸透圧の変化または血管透過性の変化など様々な要因で起こります。種差、性差および発生年齢などは特にありません。臨床症状は呼吸困難（呼吸回数が速い）をおこします。胸部レントゲン検査またはエコー図検査で胸水貯留を確認します。胸水貯留は状態ですから、貯留する原因を見つけ、それに対する治療を行わないといけません。呼吸状態の改善の為とどの様な液体が貯留しているかを確認する目的で、穿刺による胸水抜去を行います。また、血液検査、レントゲン検査、エコー図検査などの結果により総合的に診断します。
この写真は高齢の猫で、元気食欲低下および呼吸が速いということで来院され、レントゲンをとりました。左側に顕著に胸水がたまっていることがわかりました。胸水を抜去して、その性状を調べたところ腺癌でした。今後は定期的に胸水抜去が必要となります。
