心臓病は先天性を除き、犬および猫も中高年に多く発生する疾患です。
品種も一般的に犬猫とも純血種に多発傾向があります。症状は病態にもよりますが、無症状からはじまり、散歩に行きたがらない、安静時に呼吸が早い、咳をする、舌の色が悪い、倒れるなど様々です。この様な症状が現れてから、初めて病院に来院されるケースが多いです。無症状では、ワクチンなどの身体検査の中の聴診で心雑音が聴取される場合が多いです。その様な場合、現段階での心臓の状態を把握し、経過観察または治療が必要かどうか検査を行います。
当院では身体検査(体重、検温からはじまり、聴診、視診、触診など)、血液検査、胸部レントゲン検査、心電図検査、心エコー図検査および血圧測定など状況に応じて行います。多くの検査を行いますが、各々の検査は得意不得意があります。例えば、胸部レントゲン検査では心臓の全体的な大きさや肺および気管の様子はわかりますが、心臓の中の状態、不整脈の有無などはわかりません。一方、心電図は不整脈やおおよその心臓の大きさはわかりますが、肺および心臓の中の状態はわかりません。また、心エコー図検査は心臓の中の状態を詳しく見ることができますが、肺および気管状態はわかりません。その様に検査を組み合わせて診断し、治療が必要かどうかを判断します。上記のような詳しい検査は、病態にもよりますが三ヶ月に一度ほど行ってモニタリングします。一般的に心臓病は治らない病気です。お薬を使用して、病気の進行を少しでも遅らせる予防的な治療がメインとなります。そのため症状が現れる前の段階から治療を始めることが理想です。
上のレントゲン写真は心臓病の犬の写真ですが(写真中央の白く丸いのが心臓)、治療後下のレントゲン写真の様にサイズダウンしています。同時に咳の症状も軽減しました。