マダニは犬に寄生・吸血することで健康に害する外部寄生虫のの一種です。
マダニの生態ついてですが、8本脚からなる節足動物の一種でクモやサソリに近い生き物です(昆虫は6本脚)。一般的に家の中に住むダニはイエダニやヒゼンダニなど微小なダニですが、マダニはこれらのダニと違い、固い外皮に覆われています。大きさは吸血する前は3〜4mm程度(フタトゲチマダニの場合)でイエダニなどの約8〜10倍に相当します(微小ダニは0.2〜0.4mm)。日本に生息するマダニのうち、フタトゲチマダニやヤマトマダニなどの約20種が犬に寄生します。マダニの唯一の栄養源は動物の血液です。幼ダニ・若ダニは発育・脱皮のための、成ダニは産卵のために吸血します。この吸血行為を介して、その他の病原体を媒介することがあります。マダニは二度の脱皮を経て成ダニにまで成長します。発育期ごとに異なる宿主動物に感染・吸血する種類が多く、「3宿主性マダニ」と呼ばれます。マダニ種のうち、ほとんどが3宿主性です。一生の中で吸血する期間は20〜25日程と言われ、他の期間は脱皮や産卵、動物に感染する機会を待ちながら自然環境のなかで生活しています。写真はマダニの写真です。幸い感染したわんちゃんは特に問題はありませんでした。次回は感染による症状や治療についてお話ししたいと思います。